茶道具　九代大樋長左衛門　飴釉茶碗 買取実績

九代大樋長左衛門 飴釉茶碗の骨董的価値と魅力

1. 九代大樋長左衛門とは

九代大樋長左衛門（おおひ ちょうざえもん）は、大樋焼の伝統を継承した陶芸家であり、江戸時代から続く名門大樋家の九代目です。彼の作品は、独特の飴釉（あめゆう）技法を用いた茶碗で広く知られ、茶道具としても高い評価を受けています。

2. 飴釉茶碗の特徴

（1）飴釉の美しさ

• 飴釉とは、釉薬に酸化鉄を含ませて焼成することで、飴色の光沢を持つ釉薬を指します。


• 九代長左衛門の飴釉は、濃淡のある深みのある茶色が特徴で、艶やかで温かみのある質感が魅力です。


• 茶碗の表面には、釉薬の流れや焼成時の窯変（ようへん）による色の変化が見られ、一点一点異なる風合いが楽しめます。

（2）形状と造形

• 大樋焼特有の手捏ね（てづくね）技法を用いており、自然な歪みと柔らかなフォルムが特徴。


• 口縁（こうえん）は厚みがあり、茶道の作法に適した形状となっている。

3. 骨董市場における価値

（1）製作年代と評価

九代大樋長左衛門の飴釉茶碗は、特に明治期から昭和初期にかけて制作されたものが高く評価されます。大樋家の茶碗は代々茶道具として名声を得ており、製作年代や保存状態、箱書きの有無が市場価値に大きく影響します。

（2）銘と共箱の有無

九代長左衛門の作品には、「大樋長左衛門」の銘が刻まれています。また、共箱には代々の長左衛門の落款（らっかん）が施されており、これが真贋判定の重要なポイントとなります。特に保存状態の良い共箱付きの作品は、高額で取引される傾向にあります。

（3）保存状態

飴釉は割れや欠けが生じやすいため、状態の良し悪しが価格に大きく影響します。釉薬の剥がれや貫入（ひび割れ）の少ないものは、高評価を受けます。

4. 市場価格の目安

• 明治期の飴釉茶碗（共箱付き）：30万円～100万円


• 昭和期の飴釉茶碗：10万円～30万円


• 保存状態が極めて良好で共箱が揃っているもの：50万円～150万円

5. 現代における評価

九代大樋長左衛門の飴釉茶碗は、大樋焼の伝統技術と美意識を受け継ぐ作品として、現代でも高く評価されています。特に茶道の世界では、茶会での使用頻度が高く、茶道具としての実用性と美術品としての価値が融合した作品として注目されています。

6. まとめ

九代大樋長左衛門の飴釉茶碗は、大樋焼の伝統技術を受け継ぎつつ、独自の美意識を反映させた逸品です。製作年代、共箱の有無、保存状態が評価のポイントとなり、特に共箱が揃った作品は骨董市場でも高額で取引されます。茶道の世界では今後もその評価が高まることが予想され、コレクターズアイテムとしても注目されています。