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のったり香炉とは、古銅製の香炉の一種で、その名の通り、丸みを帯びた滑らかな形状が特徴です。中国の唐時代や宋時代、日本の江戸時代から明治時代にかけて製作されたものが多く、香を焚く際に用いられる仏具として、また装飾品としても重宝されました。特に、金工技術を駆使した精緻な彫刻や象嵌装飾が施された作品は骨董品としての価値が高く評価されています。
古銅(こどう)とは、時代を経た銅合金製の器物を指します。特に、青銅器や香炉、仏像などが古銅の代表的なアイテムであり、時間の経過とともに美しい緑青(ろくしょう)が浮かび上がり、その独特の風合いが評価されています。古銅ののったり香炉は、重量感のある厚手の銅合金で作られ、耐久性が高い点も特徴です。
古銅文化は中国で発展し、日本にもその技術が伝来しました。特に江戸時代から明治時代にかけては、金工師たちが高度な彫金技術を駆使して美術工芸品としての香炉を数多く製作しました。これらの作品は、装飾性が高く、武士や富裕層の邸宅で重宝されました。
のったり香炉は、丸みを帯びたフォルムが特徴で、重厚感と安定感があります。脚部には獅子や龍などの神獣が彫刻されることが多く、蓋部分にも透かし彫りが施され、煙が美しく立ち上がる構造となっています。
古銅の香炉は、長い年月を経て緑青が浮かび上がり、青緑色や茶褐色の美しい色合いを呈します。経年変化による色合いは「古色(こしょく)」と呼ばれ、これが美術品としての価値を高める要因の一つです。
のったり香炉の市場価値は、製作年代や製作者、保存状態によって大きく異なります。特に江戸時代から明治時代にかけて制作された作品は、骨董市場で高額取引されることが多いです。金象嵌や鍍金が施されたものや、著名な金工師の銘が入った作品は特に希少価値が高く、数百万円単位で取引されることもあります。
古銅製の香炉は、湿気や酸化による劣化が避けられませんが、適度な緑青は「古色」として評価されることもあります。逆に、修復が過度に施されている場合は価値が下がる傾向があります。特に金象嵌や鍍金部分の剥離がないものが高評価されます。
現代の骨董市場においても、のったり香炉は高い人気を誇ります。特に中国や台湾の富裕層コレクターの間で、日本の伝統工芸品としての価値が再評価され、高額取引が行われています。また、欧米市場でも「ジャポニズム」ブームの再燃により、金象嵌や鍍金装飾が施された香炉の需要が増加しています。
金工 古銅 のったり香炉は、日本の伝統工芸技術が集約された逸品であり、時代を超えてその価値が評価され続けています。製作年代や金象嵌の技術、保存状態が市場価値を決定する要因となり、特に江戸時代や明治時代の作品は数百万円単位で取引されることが多いです。現代でもその美術的価値と歴史的背景から、国内外の骨董市場で高額取引されることが多く、今後もその評価はさらに高まることが予想されます。
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