馬具 鐙(あぶみ) 金象嵌 買取実績

買取品名
馬具 鐙(あぶみ) 金象嵌
買取エリア
京都府京都市南区
買取額

コメント
馬具 鐙(あぶみ) 金象嵌を買取させていただきました。






馬具 鐙(あぶみ) 金象嵌の骨董的価値



馬具 鐙(あぶみ) 金象嵌の骨董的価値と魅力



1. 鐙(あぶみ)とは


鐙(あぶみ)は、馬具の一部であり、乗馬時に足を乗せるための金属製のステップ部分を指します。日本では古代から武士階級の間で広く用いられ、特に鎌倉時代から江戸時代にかけて、その形状や装飾が大きく発展しました。鐙には木製、鉄製、銅製のものが存在しますが、中でも金象嵌が施された鐙はその豪華さから骨董品としての価値が高まります。



2. 金象嵌の技法と特徴


(1)金象嵌とは


金象嵌(きんぞうがん)は、金属の表面に溝を彫り、その中に金や銀の薄い板や線を嵌め込む金工 の技法です。日本では戦国時代から江戸時代にかけて発展し、武具や馬具、茶道具などに多く用いられました。金象嵌の技術は、熟練した職人の技術を要し、繊細な模様が施されたものほど価値が高まります。



(2)鐙への金象嵌の施し方



  • 金属の下地に模様を彫刻。

  • 金や銀の薄板を嵌め込み、槌で叩いて固定。

  • 表面を研磨し、金象嵌部分が滑らかに浮き上がるよう仕上げる。



(3)装飾のモチーフ


鐙に施される金象嵌のデザインは、以下のようなものが多いです:



  • 唐草模様:優美な植物文様が繊細に彫刻される。

  • 龍や鳳凰:武士の権威を象徴する図柄。

  • 家紋:藩主や武士の家紋が入れられることもある。



3. 鐙の種類と特徴


(1)戦国時代の鐙



  • 鉄製が主流で、武具としての実用性が重視された。

  • 金象嵌の技術はまだ発展途上で、簡素なデザインが多い。



(2)江戸時代の鐙



  • 武家文化の発展とともに豪華な金象嵌が施されるようになる。

  • 鉄製のほかに銅製、木製も現れる。

  • 装飾性が高まり、唐草模様や龍の図柄が多用される。



(3)近代以降の鐙



  • 明治期以降、西洋文化の影響を受けてデザインが変化。

  • 工芸品としての価値が高まり、美術的要素が強調される。



4. 骨董市場における価値


(1)製作年代と評価


鐙の市場価値は、製作年代と装飾技術の精巧さによって大きく異なります。特に戦国時代から江戸時代にかけて製作された金象嵌鐙は、保存状態が良好であれば数百万円単位で取引されることがあります。



(2)真贋判定のポイント



  • 金象嵌の嵌め込みの精度:隙間が無く滑らかな仕上がりが高評価。

  • 彫刻の深さ:浅すぎるものや線が不明瞭なものは模造品の可能性がある。

  • 錆びや変色:経年劣化による風合いが感じられるものが本物である可能性が高い。



(3)保存状態の重要性


鐙の保存状態も市場価値を大きく左右します。金象嵌部分の剥離や摩耗が少なく、鉄部分の錆びが適度に残っているものは古色として評価されることが多いです。一方、金象嵌が剥がれ落ちているものや、金属部分に著しい錆びや損傷が見られる場合は評価が下がります。



5. 市場価格の目安



  • 戦国時代の金象嵌鐙(保存状態良好・家紋入り):300万円〜600万円

  • 江戸時代中期の鉄製金象嵌鐙(唐草文様・共箱付き):150万円〜300万円

  • 明治時代の銅製金象嵌鐙(龍・鳳凰図柄):100万円〜200万円

  • 現代作家による復刻作品:50万円〜100万円



6. 現代における評価と需要


現代の骨董市場においても、金象嵌鐙は武具や馬具としての価値だけでなく、美術品としての評価が高まっています。特に、龍や鳳凰の豪華な図柄が施された江戸期の鐙は、中国や台湾の富裕層の間で人気があり、高額取引が行われています。また、武家文化の象徴としての鐙は、日本国内外の博物館や美術館でも展示されており、その文化的価値が再評価されています。



7. まとめ


金象嵌鐙は、日本の伝統的な馬具であり、武士階級の象徴として高い骨董価値を持っています。製作年代、金象嵌の技術、保存状態が市場価値を決定する重要な要素であり、特に江戸時代の豪華な金象嵌鐙は数百万円単位で取引されることもあります。現代においても、その芸術的価値と歴史的背景から、コレクター市場や博物館展示でも高い評価を受けており、今後もその需要と価値はさらに高まることが期待されます。






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