楽吉左衛門の作品の特徴
楽吉左衛門は、安土桃山時代から続く楽家の当主が代々引き継いできた名前です。初代は長次郎という名前で、楽吉左衛門という名前は今の楽家の基礎が築かれた二代目より引き継がれています。楽家は、主に茶道具の茶碗を製作する陶芸家で、千利休に茶道具を献上した千家十職に数えられています。2020年の時点で楽吉左衛門は16代目になり、伝統とともに新しい茶碗の色を生み出しています。名前を継ぐということは、茶碗の作り方すべてを受け継ぐように感じられますが、楽家では釉薬の調合などの配合法は一切伝えません。色合いは代々の当主が試行錯誤した中で、創造しています。
楽家の茶碗は、初代から変わらない手づくねという技法が使われています。昔も今も茶碗のような陶器は、ろくろを使って量産する方法が多い中、手で土をこねて成形しヘラで姿を綺麗にする方法は難しいとされていました。楽家では、代々およそ三代前の当主が集めた土を上質な土を先代への感謝を込めながら使用していて、土の継承は現在でも行われています。こうして手づくねで製作された陶器は、形が不揃いで、器ごとに異なった風情を感じられることが特徴のひとつです。
手づくねで制作した茶碗は楽茶碗と称され、お茶会などで紹介されます。
しかし、使うことがおそれ多く、実際は飾るだけというケースが多々あります。しかし、楽茶碗は使って初めて、肌に触れたときに感じる茶碗の質感や、お茶を入れたときに感じるあたたかさなど、その茶碗が持っている良さを感じることができ、製作者である楽吉左衛門もそれを期待しています。
15代目楽吉左衛門の作品に対する考え方
15代目楽吉左衛門は、伝統を受け継ぎながら楽茶碗に独自の色をつけた名工です。楽家に名前を残した15代目ですが、子供のころは名前を継ぐという風習に懐疑的なものを感じていました。大学での専攻は陶芸ではなく彫刻を選択しており、卒業後も美術学校で彫刻を習うためイタリアに2年程滞在していました。
留学中、創作もできないほど作品の表現について悩み、苦しんでいた時期がありました。そんなとき、ローマでの日本人茶道家の野尻命子との出会いが彼を陶芸の道へと向かわたのです。
15代目の作品は、アバンギャルドな激しさを持ち合わせていると評されます。初代楽吉左衛門の作品から続く、黒と赤を基調としながらも深く激しいメッセージを伝えているのが15代目の特徴です。焼貫という独自の焼成法で1989年に製作された「暘谷」は、茶碗の表面をヘラで切りつけた模様があり、形も伝統とは異なります。しかし、そこには初代と同じく静かな見た目と激しい本質が存在しています。15代目は、初代の作品に込められたメッセージを読み解き、世界観をつなげることで、独自の世界観を表現しています。
ときにユニークな作品を世に出すのも15代目の魅力です。彼の作品である猫割り手は、今から40年前当主が作り上げた作品を後年に発表したものです。楽吉左衛門お気に入りの茶碗を野良猫が割ってしまったことが始まりで、割れた茶碗は銀継ぎされて手元に戻ってきました。猫割り手は、楽家を訪れる親しい友人の前にのみ現れる幻の一品です。
楽吉左衛門の作品買取について
家の物置や倉庫から陶器の入った箱が見つかったとき、そのまま放置してしまうのはもったいないです。骨董品買取という方法も、最近ではメジャーになりました。買取業者を選ぶときのポイントを押さえておけば、安心して自分の所有物の価値を調べることができます。
まずは、陶器の買取実績が豊富かどうかをチェックします。業者を調べる方法としてチラシもありますが、ほとんどの人がインターネットのホームページを利用します。買取実績は、ただ眺めるだけではなく、作者を固定して検索してみることが大切です。以前に特定の作家の作品を扱ったことがあれば、相場を確認することができ、買取の目安になります。楽吉左衛門の茶碗は有名なので、検索結果に出てくる可能性も高いです。
つぎに査定方法です。査定は基本的に無料で、できれば出張買取も無料の業者がおすすめです。査定には2つの段階があり、陶器が本物かどうかをあらかじめ調べてもらう写真査定と、出張や店頭で買取をしてもらう本買取があります。無料査定がおすすめの理由は、買取金額を満額受け取ることができるからです。出張費や査定費がかかる業者もあるので、その点は注意しましょう。
また、自分の大切なものを預けるに値する業者かどうかの信頼度はかなり重要になります。簡単な確認の仕方は、評判や口コミを見ることですが、サイト上の情報はあいまいで分かりにくいと考える人も少なからずいます。そのときは、直接電話して話を聞いてもらうとその業者の雰囲気を知ることができます。業者によっては、問い合わせの電話代がかからない窓口を用意しているところもありますので、有効活用しましょう。
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