中村宗哲
なかむらそうてつ

中村宗哲という希有な塗師


中村宗哲は日本を代表する塗師で、代々当主となる者が受け継いできた名前です。歴史は400年を超え、12代目と現在の13代目は女性が務めています。中村家は、千家十職として茶道具の基本である形や色を継承してきました。大元は美の巨人と称される千利休です。当初、千利休のもとに集まる職家は20を超えるほどでしたが、中村家を含める10の家に統一されました。

中村宗哲の作る茶道具は、伝統を中心に、各代のアレンジを加えていきます。そのため年代によって色や形、大きさや利便性もさまざまです。初代中村宗哲の時期は、蒔絵を用いた家具を作る通例塗師でもありましたが、明治以降は堅物塗師と呼ばれる茶道具専門になりました。中村宗哲の作品の特徴は、数百年経った今でも朽ちることのないつややかさ、洗練さにあり、10を超える工程がそれを可能としています。

代々名前を汚さぬように新しい形で生み出してきた作品は、それぞれに個性が溢れています。例えば、初代中村宗哲は千利休に好まれる茶道具を作り、利休形と呼ばれる今もなお影響のある原型を生み出しました。3代目は、利休型12器を制作し、利休形を多くの人に知らしめることに成功しました。その後も漆器の厚さや色合いを自分なりに変化させ、その時代に残る名器を残しました。

12代目に中村宗哲の名前を引き継いだのは女性で、作品に女性目線での優雅さを取り入れました。これまでの重厚で堅緻な作風に、繊細さや優美さが加わったのは女性ならではです。現在の13代目も女性が引き継ぎ、作品はより高みを目指しています。

中村宗哲の中でも傑出した2人


歴代の中村宗哲の中で、3代目と7代目はより才に恵まれた人物です。いずれも初代の利休形をそのままに後世に残る作品を作りました。3代目は主に18世紀、7代目は19世紀半ばにかけて活躍した人物です。2人とも若いうちから中村宗哲の名を受け継ぎ、実力を発揮した名工です。今なお残る作品に大きな影響を及ぼしたといっても過言ではないでしょう。

3代目で有名な漆器は、棗です。茶道のとき抹茶を入れる蓋付の漆器のことを棗と呼びます。3代目は俳人としても知られ、作品に多大な影響を及ぼしたとされています。代表作は覚々斎好、ぶりぶり香合、彭祖棗などです。覚々斎好は、桐菊蒔絵がされた棗になります。シンプルながら、つややかで美しい作品で骨董品売買も行われています。ぶりぶり香合はお香を入れる八角形の容器のことで、多くは鶴や亀、尉などが描かれています。もともとは車がついており、それを括りつけて引きずる遊びに使われていました。それを、茶人である覚々斎が香合にしたのが、ぶりぶり香合のはじまりとされています。他にも中村宗哲が制作した香合には、コマの形をしたコマ香合があります。

7代目は、中村家の歴史上一番の名工であったとされています。兄から家督を譲り受けた後、堅物塗師職人になった人物です。その技法は千利休の塗師であった記三に酷似しており、棗や台子、手桶、どれをとっても洗練されていました。朱手織一対や精進会席椀一式、吉野椀一式などを制作し、家元に納めることで生計をたてていました。合作もよく手掛け、夕顔台子皆具などは有名です。中村宗哲の伝統である棗の制作も意欲的に行い、時代にあった棗が今も残されています。

中村宗哲の作品を買い取ってもらうには


中村宗哲の作品は、長年使用できるように作られており、数百年経った今でも元の姿を維持しています。茶道具としての人気は高く、骨董品としても多くの作品が高価買取されています。家に宗哲の印の入った漆器がある場合には、高値で買い取ってもらえる可能性があります。そのときは骨董品買取の方法を事前に確認することが大切です。

私たちが骨董品の買取業者を探すとき、多くの人がインターネットに頼ります。しかし、情報が多い代わりに優良店かどうかを判断することが難しくなっています。見極めるために大事なことはいくつかあり、買取実績、査定方法、店の歴史はその中の一部です。
買取実績は、自分の所持する骨董品がいくらで買い取ってもらえるかを知るバロメーターになります。業者のホームページ上をチェックして、作者名で検索をかけてみましょう。ヒットした場合は金額を見ておくと、作者の人気具合が把握でき効率的です。

査定方法は、査定時の支出をできるだけ省くために知っておくと良いです。最近では、出張査定が無料という業者も増えましたが、査定費用が発生するかどうか、発生する場合はいくらぐらいかを確認しておきましょう。場合によっては、買取価格よりも、査定費用など買取してもらうための支出額の方が上回ってしまう場合があるためです。

店の歴史は、所持する骨董品を安心して預けることができるかのバロメーターになります。店の歴史が長ければ必ず優良店になるわけではありませんが、何十年もの歴史がある場合は、それだけ実績があることが多いと考えられます。

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