アンドレブラジリエ
あんどれぶらじりえ

アンドレ・ブラジリエとは、油彩画や版画を描いたフランスの洋画家です。鮮やかな色彩と独特な画面構成が特徴で、日本画家である東山魁夷(ひがしやま かいい)とも親交があったといいます。そのため、日本でも人気の高い洋画家です。
第二次世界大戦を生き抜いたブラジリエは、特に戦後から数多くの賞を受賞しています。今回は、アンドレ・ブラジリエの生涯と作品の魅力、東山魁夷との関係性について紹介します。

1929年(昭和4年)-
第二次世界大戦後に、若くして頭角を現したフランス出身の抽象派画家。
油彩画やリトグラフと呼ばれる石版画を数多く残している。
日本でも頻回に個展を開催しており、国内のファンも多い。日本画家である東山魁夷との親交もあった。
サロン・ドートンヌ委員を務めたり、多数の書籍を出版したりと美術界への貢献を続けている。

生い立ち


アンドレ・ブラジリエは、フランス中西部のソミュールで生まれました。ソミュールは、メーヌ=エ=ロワール県の川岸にある都市で、石造りの家屋が美しい街です。
両親も画家として成功しており、生家は裕福でした。両親やその友人の影響から、ブラジリエも画家を目指します。第二次世界大戦のころ、水彩画や油彩画を描いて過ごしました。
1949年になると、アンドレ・ブラジリエはパリ国立高等美術学校「エコール・デ・ボザール」に入学します。パリ国立高等美術学校は、1648年創立の王立絵画彫刻アカデミーを継承する由緒ある美術学校です。
ブラジリエは美術学校で、サロン・ドートンヌ会員であったモーリス・ブリアンションに師事します。両親譲りの才能を持ったアンドレ・ブラジリエはすぐに頭角を現し、1952年にフロレンス・ブリュメンタル賞、1953年にはローマ賞絵画部門でグランプリを受賞しました。ローマ賞とは、1663年に創設された建築・絵画・彫刻・版画部門から、王立アカデミーの審査によって優秀者を選出するコンクールです。優秀者になると、フランス政府からの奨学金で留学できたため、若手芸術家の登竜門として認識されていました。
1958年からは、精巧な印刷が画家に人気だった印刷工場にて、リトグラフの制作を始めます。
リトグラフとは、版に直接絵を描いて色を塗り、印刷する石版画です。1枚の版にインクは1色。つまり、10色のインクを使いたいときは10枚の版が必要です。非常に手間がかかる一方、色彩豊かな絵を何枚も刷ることができるため、19~20世紀のヨーロッパで流行しました。
リトグラフの制作を始めた同年、ブラジリエは初めての個展をパリで開きます。ドゥルエ画廊で開催されたブラジリエの個展は、音楽を主題にしたものでした。
その後、ヴィルヌーヴ=シュール=ロ賞やシャルル・モレ賞を続けて受賞。1962年にはサロン・ドートンヌ委員に選出されます。
サロン・ドートンヌとは、1903年からパリで開催される展覧会です。美術界の若手や先進的思考を持った芸術家を紹介するために、ベルギーの建築家であるフランツ・ジュールダンが創設しました。
アンドレ・ブラジリエが日本で展示会を開いたのは、1969年のことでした。この後、1990年代にかけて複数回日本で展覧会を開いています。

東山魁夷との関係


アンドレ・ブラジリエは、日本画家の東山魁夷と親交がありました。1977年には東山魁夷がブラジリエを招待し、当時制作していた奈良の唐招提寺御影堂障壁画を見せたとされています。
ブラジリエや東山魁夷の作品には、馬をモチーフにしたものが多いことが特徴です。鮮やかな色彩も、2人の作品を象徴する部分といえます。

作品の特徴とその魅力


アンドレ・ブラジリエの作品は、馬や森をモチーフにしたものが多く見られます。青や赤、黄色の色彩が鮮やかで、モチーフの美しさを強調しています。
女性と花をモチーフにした作品も多く、黒いバックに女性と花を鮮やかに描いていることが魅力です。リトグラフの原理を利用して、美しい風景や人物を多彩な色で描いています。
リトグラフは版画の1種で、油彩画とは異なり同じ作品が複数枚存在することが特徴です。ただし、その制作数は限定されており、種類や時期など画家によっても価値が異なります。

日本でも人気の高いアンドレ・ブラジリエの作品


アンドレ・ブラジリエは、東山魁夷と親交があったり、日本で個展を開催したりと日本でもファンの多い洋画家です。
目を惹く明るい色彩が特徴で、特に馬と森のコントラストを美しく描いています。水彩画や油彩画よりもリトグラフの作品が多く、どこかで目にした機会があるかもしれません。
晩年はエルミタージュ美術館やドイツのマイノー城など、名だたる場所で展覧会や回顧展を開催しています。

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