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金工 作家

海野勝珉
うんの しょうみん

プロフィール

1844年(天保15年)-1915年( 大正4年)
明治時代の彫金家。
萩谷勝平,海野美盛に彫金を師事。
色彩感のある象眼と片切り彫りを得意としている。
当時、多くの刀装金工達が貿易用の欧米人好みの花瓶や煙草箱やアクセサリーなどを作り生計をたてた中で、そういうものを一切作らず、新しい時代の金属工芸の姿を真剣に模索していた。

廃刀令で花開いた海野勝珉の才能


1876年、明治政府は廃刀令を布告しました。武士の魂と言われていた日本刀について、一部の例外を除き所持することを禁じたのです。これによって日本刀の需要は急速に減少し、伴う余波がありました。それは装剣金工という彫金士の仕事までもが失われ、彼らが窮地に陥ったことです。
日本刀にはつばや目貫、小柄など刀身に取り付ける金属部品があります。本来は戦闘用具である日本刀ですが、太平の世の江戸時代には武士のアイデンティティーを示す意味合いが濃くなり、この流れの中で、日本刀に対する装飾的な志向が強まりました。鉄や金、銀などを組み合わせ、花鳥風月や竜といった縁起物を題材に意匠をこらし、高い芸術性を発揮して作り上げるのが装剣金工であり、それを仕事にしていたのが彫金士です。
一部の彫金士らは、装剣金工で身につけた彫金技術を生かし、金属を加工した武士像や高炉、装身具など新たなジャンルのものづくりに転身しました。日本刀が持つ立体的な金属造形美術を継承して、洋風生活が取り入れられていく明治時代にマッチした作品を次々に生み出していったのです。
廃刀令をきっかけに、日本刀に集中していた高い芸術性を発揮する分野が拡大したのが明治時代であり、当時の代表的彫金士として高く評価されている一人が海野勝珉です。現在の茨城県水戸市で生まれた彼は、金属彫刻に優れた才能を持っていた叔父、初代海野美盛に師事し、さらに当時の水戸彫金界の大御所であった水戸藩士、萩谷勝兵から高度な金属工芸のノウハウを学びました。1868年に上京し、1891年には東京美術学校助教授、その3年後には教授に昇進し、1896年には帝室技芸員を拝命しています。帝室技芸員とは、皇室の保護のもとで任命された美術工芸家の名誉職です。こうして海野勝珉は一流の彫金士として徐々に実績を残していきました。

正確な技術と緻密な表現力で写実性を追求


海野勝珉の作品の特徴は、江戸時代の細密工芸を継承した緻密で正確な彫金技術と、優雅な日本的美学を感じさせる着色加工、写実性を追求した独自の境地を切り開いたところにあります。
金属製の加工道具であるたがねなどを用いて、原材料となる地金を彫るのが彫金です。主な技法は四つあります。地金に図案を描いて糸鋸やたがねで彫り抜く透かし、たがねを使って地金を彫って模様を刻み込む彫り、地金の裏から打ち出して表から細部を整え、レリーフのような文様を描く打ち出し、地金を彫ったところに別の地金を嵌め込む象嵌の四つです。
海野勝珉は、どの手法にも優れた手腕を発揮していますが、とりわけ彫りにおいては、地金に対して斜めの角度から片刃を打ち込んで、太目感と細目感を併せ持つ表現を可能にする片切彫りなどを得意としました。また象嵌の技量にも卓越した才能があり、さまざまな色合いの金属を巧みに組み合わせた色彩豊かな表現力が作品にみなぎっています。
この才能は一日で花開いたわけではありません。上京後、頭角を現すまでの生活は苦しく、実兄が経営する浅草のうなぎ屋で出前持ちをしながら制作に励みましたが、廃業寸前でした。それを救ったのが嘱品家とよばれる、いわばプロモーターのような存在でした。武士からの注文を失った彫金士たちに作品を作らせ、皇室や政府から受注するシステムを作り上げたのです。海野勝珉は若松竹次郎という人物に見いだされました。これによって海野は廃業のピンチを逃れ、徐々に彫金士としての地位を確立していきます。

金字塔の蘭陵王置物を生んだ内国勧業博覧会


海野勝珉の作品が世に評価されていくにあたっては、内国勧業博覧会が大きく寄与しました。海野勝珉は1877年の第1回博覧会で神代人物、袋物前錠という作品を出品し、褒状を授与されました。
これで自信をつけた海野勝珉は1881年の第2回博覧会でも連続して褒状を受け、1890年の第3回博覧会でついに一等妙技賞を受賞し、知名度は一気に高まりました。この一等妙技賞を獲得したのが蘭陵王置物です。立体的な置物像で、写実的かつ優美な美しさをあますところなく表現しており、彼の作風の最高峰とも言える作品です。
蘭陵王は中国南北朝時代の勇猛で容姿も優れた武将です。彼の戦勝を記念して作られた楽曲は日本にも伝えられ、雅楽の曲目として知られています。この作品は、雅楽の蘭陵王を舞う演者をモチーフとしており、海野勝珉独自の高度な金属の着色加工技術や緻密な打ち出しなど、多彩な金工技術を駆使して稠密な作品に仕上げています。装束の内側まできめ細かな文様を彫り込んでいるのも驚くべき点ですが、面は取り外しが可能で、外せば演者の素顔が現れます。まさに江戸時代の細密工芸を継承した海野イズムが高次元で昇華された明治工芸の代表作となっています。
もう一つの秀作である太平楽置物も同じように舞楽である太平楽の演者を現した作品です。金色をふんだんに使った装束の鍛造技法は、海野勝珉ならではの緻密で美しい作風にあふれており、1900年のパリ万国博覧会に出品され、大いに注目されました。これらの作品は宮内庁が所管する東京の三の丸尚蔵館に所蔵されていますが、他にも卓越した作品が多く売買されており、真作であれば作品によってはかなりの高額で取引されます。

代表作品

対花瓶
蘭陵王置物
太平楽置物
還城楽額飾

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