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古染付(こそめつけ)は、江戸時代初期に中国から伝わった染付技法を日本独自に発展させたものです。青花(せいか)とも呼ばれ、藍色の絵付けが特徴で、磁器の白地に呉須で絵柄が描かれます。
香炉は、香を焚くための器として古代から用いられてきました。古染付香炉は、美術品としての価値を持ちながらも、仏教儀式や茶室での使用を目的として制作されました。
古染付香炉は、その華やかな装飾性から観賞用としても高く評価されました。茶席や仏間で香を焚く際の器として使用され、その繊細な絵付けが鑑賞者の目を引きます。
呉須と呼ばれる藍色の顔料を用い、素焼きの磁器の表面に筆で絵付けを行い、その上に透明釉をかけて再焼成する技法です。この二度焼きによって、藍色の発色が際立ちます。
古染付香炉には、硬質の磁器が使用されることが一般的であり、耐久性と光沢感が特徴です。時代を経た作品ほど貫入(かんにゅう)と呼ばれる細かいひび模様が現れ、これが骨董的価値を高める要因にもなります。
江戸時代初期から中期にかけての古染付香炉は特に評価が高く、保存状態が良好なものは高額で取引されます。輸出向けの作品や寺院用の大型香炉も希少価値があります。
有田焼や伊万里焼の窯元による作品は市場価値が高く、銘が入っているものや絵付けの細かさが顕著な作品は特に高額で取引されます。
絵付けの剥がれや欠けがないものが高評価されます。藍色の発色が鮮やかに残っているもの、貫入が美しく入っているものも価値が高まります。
古染付香炉は、日本の陶磁器文化の中でも特に重要な位置を占めており、美術館や博物館にも収蔵されています。文化財指定を受けた作品も多く、その芸術性と歴史的価値が再評価されています。
国内外のコレクター市場では、保存状態の良い古染付香炉が高額で取引されることが多く、特に輸出用の豪華な作品は希少価値が高まっています。
古染付香炉は、江戸時代の染付技法を用いた磁器工芸品であり、その繊細な絵付けと伝統的なデザインが高く評価されています。制作年代や保存状態、作家の銘によって市場価値が大きく変動し、今後も美術品としての評価が期待される一品です。
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