Menu
饕餮紋(とうてつもん)は、中国古代の伝説上の怪物「饕餮(とうてつ)」をモチーフにした文様です。貪欲で強力な存在とされ、武器や器物の装飾に用いられました。大明宣徳年製の饕餮紋香炉は、その中でも皇室御用達の豪華な作品として知られています。
紫檀は堅く重厚な木材であり、高級家具や工芸品に使用されることが多い素材です。本香炉のフタ部分には紫檀が用いられ、玉摘の形状が象徴的な意匠として取り入れられています。
饕餮紋香炉は、その力強いデザインと重厚感から、皇帝や貴族の間で権威を象徴するアイテムとして使用されました。紫檀の蓋が加わることで、一層の高級感と美術品としての価値が高まっています。
本香炉は、銅の鋳造技法が用いられています。溶かした銅を型に流し込み、冷却後に饕餮紋を立体的に彫刻で仕上げます。この際、表面に緑青(ろくしょう)が発生し、経年により古雅な風合いが生まれます。
紫檀は硬質な木材であり、玉摘のような細工を施すには高度な技術が求められます。磨き上げることで美しい光沢が生まれ、全体の統一感が強調されます。
大明宣徳年間(1426年 - 1435年)に制作された饕餮紋香炉は市場価値が極めて高く、保存状態が良好なものは数百万円から数千万円で取引されることもあります。特に皇帝御用達の証明があるものは希少価値が一層高まります。
当時の宮廷工房で製作された作品には「宣徳年製」の銘が入ることがあり、これが真贋の判断材料となります。著名な工房の作品は、美術品としての価値も一層高まります。
緑青の発生具合や紫檀部分の摩耗具合が評価のポイントです。蓋部分の紫檀が割れや欠けなく、美しい艶が保たれているものが高評価されます。
大明宣徳年製の饕餮紋香炉は、中国の工芸史においても貴重な遺産であり、美術館や博物館にも収蔵されています。文化財としての価値が認められる作品も多く、保存の重要性が再評価されています。
国内外の骨董市場では、保存状態の良い饕餮紋香炉が高額で取引されることが多く、特に宣徳年間の作品は希少価値が高まっています。
大明宣徳年製 饕餮紋香炉 紫檀フタ玉摘は、中国古代の伝統工芸技術が凝縮された一品であり、その重厚感と緻密な彫刻が高く評価されています。制作年代や保存状態、作家の銘によって市場価値が大きく変動し、今後も美術品としての評価が期待される逸品です。
鑑定のご相談、
お待ちしております!
多くの士業関係の方からも御依頼を頂いております。お気軽にご相談ください。